左官工事とは?

左官工事とはコテを用いて土や砂、漆喰、モルタルなどの壁材を建物の壁や床に塗っていく工事です。

左官工場は現代の建築物において欠かせない大切な工事です。
建物の耐久性や居住快適性を高めたり、美しく壁を装飾するという役割があり、
戸建て住宅や外構工事などの、あらゆるシーンで利用されています。

施工には壁土・漆喰・モルタル・繊維・プラスターなどを使用し、特徴的な柔らかい素材で自由にデザインに成形することが可能です。

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左官工事の種類

町場


左官工事には大きく分けて住宅向け、ビル・マンション向けの2つがあり、住宅向けの工事のことを「町場」といいます。

「町場」は漆喰や珪藻土を用いた“塗り壁”、塀の仕上げ塗り・アプローチの基礎づくりといった“外構”が、主に施工の中心となります。継ぎ目なくきれいに塗りあげる技やコテを使った模様作りなど、手作業での仕上げになるため、職人のセンスや技術がそのまま仕上がりに表れます。

野丁場


「野丁場」は、ビル・マンションの下地をつくる工事のことです。 主に鉄筋コンクリート造りの建物では、壁・床・天井・階段などにセメントモルタルを塗りつけ、土台をつくる作業が必要になります。

上から塗装をすると見えなくなってしまうため一見地味な印象ですが、5ミリ前後の誤差で仕上げていかなければならず、職人の高い技術が必要とされる大事な作業です。下地の精度によって、次の塗装のクオリティが変わってきてしまいます。

左官壁の種類

漆喰(しっくい) 石灰に海藻糊、すさなどを混ぜて練り上げたもの。
なめらかな質感が特徴で耐火性に優れており、脱臭効果もある。
珪藻土(けいそうど) プランクトン(藻類)の死骸が海底などに堆積してできる土。
漆喰と同様、耐火性に優れ、調湿機能もある。
聚楽壁(じゅらくかべ) かつて豊臣秀吉の城として知られる聚楽第(じゅらくだい)が由来。
その跡地周辺から算出される、聚楽土と言う色土を使用したもの。
珪藻土と似た性質を持つが、珪藻土より土壁らしい質感。
白洲壁(しらすかべ) 火山噴出物が堆積した「シラス」を使用した壁。
モルタル セメントと水と砂を混ぜて練り上げたもの。
滑らかな仕上がりで撥水加工を施し防水性の高い加工も可能。
ジョリパッド アクリル系の壁仕上げ材。
デザイン性やカラーバリエーションが豊富。

漆喰

漆喰とは日本特有の塗壁材の一つで、消石灰(水酸化カルシウム)を主原料としています。その消石灰に水・のり、繊維を加えた塗り壁材のことです。漆喰を使った壁は「呼吸する」と言われています。漆喰は高いアルカリ性を持ち、ニオイのもととなるカビや細菌の繁殖を抑えてくれる効果があります。また耐久性が高さも特徴の一つです。

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プラスター

プラスターとは鉱物性の壁や天井を仕上げるための材料のことで、この材料を使ってコテで仕上げていく方法をプラスター塗りといいます。石膏プラスターとドロマイトプラスターがあり、現在の主流は石膏プラスターが多いです。収縮ひび割れが生じにくく、硬化が早く、白い仕上がりになることが特徴で、仕上がりを美しい壁にすることができますが、職人の技術によっては大きな差が出ることもあります。

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洗い出し仕上げ

洗い出し仕上げは伝統ある左官の技法で、舗装をおしゃれにできる方法のひとつです。種石を練り合わせたモルタルを上塗りし、それを洗い出すことで、自然な風合いを再現しようとする技法です。 混入する種石の大きさや種類によって多彩な表現が可能で、デザイン性の高さが特徴です。おもに住宅の玄関アプローチや土間、犬走り、階段など、あらゆる部位の仕上げとして豊かな表情を演出することが可能です。

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アート仕上げ

現場で塗って仕上げる左官仕上げだからこそ出来る施工です。コテ波仕上げや扇仕上げ、スポンジローラー仕上げなど、使用する道具によって模様の仕上がりが大きく異なります。現場の雰囲気に合わせてアーティスティックな壁や床を楽しむことができるのがアート仕上げの特徴です。担当する左官職人の個性や技術が大きく反映されます。

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